~シーズン2~ チャレンジ・ザ・土木工事
<地震に備えよう> 【下水処理場の場合】
本日よりしばらくの間、
予定では8回にわたって塩素混和池の外側の部分、
前回までに深く掘っていたところの続きから完成までをお伝えします。
今回は材料検査の一回目です。
少し長くなりますがお付き合い下さい(^^)/
①SKジョイント(十三の宿題)
SK=伸縮(しんしゅく)可撓(かとう)のSKだと思います。
日本語にすると「伸縮可とう継手」ですね。
あくまでも想像ですが・・・(^^;。
ちなみに、
※伸縮可撓(可とう)継手:
締めこんだ後でも左右に若干動かせる(自由が利く)継手。
狭い場所で補修するときに有効。
とのこと。
※継手:
2つの部分を接合する構造のことで、機械や建築物の部材の結合に使われる。
建築物に利用される鉄骨や鉄板の結合にはリベットやボルト、溶接が使われ、
木造建築では部材の長さ方向に結合する場合に『継手』と呼ぶ。
機械部品をつなぐ際には、軸と軸をつなぐ『軸継手』、
管と管をつなぐ『管継手』等がある。
※可とう:
可撓性(かとうせい)とは、物質の弾性変形のしやすさを示す。
一般的用法においては弾性を可とう性とみなし、
ゴム状物質について「高弾性である」というような記述がなされる場合があるが、誤りである。
弾性も「力を加えると変形する性質」を表す言葉であるが、
弾性の大小を表す弾性率は値が大きいほど変形に要する力が大きくなるという意味である。
従って、「弾性がある」と言った場合には「可撓性がある」と同義であるが、
「高弾性である」と言った場合、むしろ「変形しにくい」「硬い」という意味になる。
なのだそうです。
②VSキャップ(十三の宿題)
これに関しては、分かりませんでした(T_T)
多分、商品名かメーカーの型番から来たものではないかと
思います・・・ごめんなさいm(_ _)m
ただ、蓋(ふた:キャップ)であることは間違いなく、
メカニカルキャップと呼ばれているものです。
※メカニカル:
機械的(メカニカル)な方法により接続する管継手のこと。
主に水道の配管において使用される。差込継手とも呼ばれる。
特徴は、
ゴムシール(パッキン)等の密着によって接続部の止水を行うことで、
ねじ切りや溶接等が不要となり、施工が省力化出来ることである。
既設配管における漏水修理や取り出し分岐配管の増設などといったメンテナンス工事も容易になる。
③ダクタイル管
(十一)をご覧下さい(^^)/
④ゴム輪
いわゆる、接続用のゴムパッキンです。
私、今までたくさんの家に住んでいきましたが、
水道関係のゴムパッキンの交換を
かなりの回数行ってきました。
こんな所でもゴムの接続具が使用されていて、
はたして、耐久性は大丈夫なのだろうか?
と、調べてみたら・・・
「ダクタイル鉄管用ゴム輪の耐久性」として、
日本ダクタイル鉄管協会
ダクタイル鉄管用ゴム輪協会
による調査結果がありましたので、ご紹介しておきます。
Ⅰ. ゴム輪の劣化要因
*紫外線
*酸素
*オゾン
*熱
が劣化する要因として挙げられるのですが、
地中に埋設されている水道管路は、
劣化要因の影響を受けにくいため
ゴム輪は劣化しにくい。
Ⅱ. 実際に長期間使用したゴム輪の物性調査
*形の違う三種類のゴム輪
*使用年数:2~45年
*調査本数:計137本
【調査結果】
*二種類のゴム輪は、押輪が当たっていた面に凹みが生じていたが、
水密性に影響する変形は生じていなかった。
*バルブ型のゴム輪は、局部変形は無く、
使用前の形状をほぼ保持していた。
*物性値(引張強さ、硬さ、伸び)は当時の基準値を満足していて、
変形していなかった。
Ⅲ. 長期水中浸漬試験
【試験目的】
継手を組み込んだゴム輪を水中に浸漬し、経年劣化を調査
【試験内容】
水中浸漬期間は最長10年
*継手の水密性確認
*ゴム輪の圧縮永久ひずみの調査
【試験結果】
全て漏水無し
Ⅳ. 実際に45年間使用された管(掘り上げた管)の調査結果
*真直水密試験
*曲げ水密試験
いずれにおいても漏水無し
Ⅴ. 結論
1、長期間、水道管に使用されたゴム輪の物性
(強さ、硬さ、伸び)は、ほとんど変化しない。
2、圧縮永久ひずみも小さく、水密性も保持できる。
3、45年間使用した掘り上げ管は、
厳しい条件でも水密性は確保できた。
よって、ダクタイル鉄管のゴム輪は、長期間使用しても、
物性値にほとんど変化は無く、
高い水密性を保持できることが検証出来た。
とのことで、
家庭で使われているような小さなゴムパッキンとは
ちょっと違う様でした。
これも多分、日本だからだと思いますが、・・・安心しました(*^^)v
⑤バイパス管(HP管:十二の宿題)
HP=Hume pipe(ヒュームパイプ)
すなわち、ヒューム管(管)です。
ヒューム管の「ヒューム」の語源:発明した人の名前です。
「鉄の時代は、コンクリートの時代に変わる」この象徴的な言葉に魅せられた男たちが、20世紀の初めにオーストラリアに現れました。
彼ら技術により、下水道や農業水利などに利用しているヒューム管が発明されました。
このヒューム管の生みの親は、オーストラリア南岸セント・ビンセント湾に臨む港町アデレイドに住み、鉄飾り細工を生業としていたE・J・HumeとW・R・Humeの2兄弟です。
この兄弟によって1910年(明治43年)にヒューム管の製造方法が発明され、発明者の名前を商品名としたその技術が日本に導入されました。
農業国であったオーストラリアの産業構造から、Hume兄弟はいち早く遠心力鉄筋コンクリート管による導水管の開発、量産化に着目しました。
この地では灌漑に当たり、悪水が多く、鉄管内に汚物が溜まり、水の流れが悪くなるところから、コンクリート管の利用にヒントを得たと伝えられています。
鉄とコンクリートを一体の物として強度を高め、遠心力の応用と結び付け、更に工業生産にふさわしい量産方式のシステムを考案したことは、Hume兄弟の卓越した頭脳と先見の明があったことを示しています。
国外では先ず南アフリカに、次いで1913年(大正2年)英国に進出してヒューム社を設立しました。
以後、アメリカ、カナダ、インド、シンガポールなど、世界各地に特許を出願してヒューム管の普及に努めていきました。
ヒューム社が日本で特許を得たのは、1921年(大正10年)のことでありました。
日本でのヒューム管
日本でもそれ以前に鉄筋コンクリート管が1908年(明治41年)名古屋市で下水道用として、内径2.25尺(68cm)~3尺(90cm)の管が茂庭忠次郎博士の指導で製造され始めました。
これは型枠に鉄筋を入れコンクリートを打ち込んだもので、通常「手詰め管」と呼ばれヒューム管に比べ強度の低いものでした。
その後、製管技術が研究されましたが、型枠をゆっくり回転させ内面の仕上げをローラで行う程度でした。
一方ヒューム方式は連続回転式の多軸機械で、同時に数本のヒューム管型枠を載せ、一端をモーターで動かすことで全体が回転運動を始め、その運動で遠心力となって働くという、大量生産方式であるというところに画期性がありました。
1924年(大正13年)製管機および付属品一式を輸入し、製作を開始し、学者・研究者などから製品の優秀性を評価され、1925年(大正14年)から本格的に生産が開始されました。
1930年(昭和5年)のメートル法施行令により、1931年(昭和6年)から切り替えに着手し、1935年(昭和10年)に全製品をメートル法に切り替え完了しました。
ヒューム管は、工業標準化法により1950年(昭和25年)JIS A 5303として制定され、「遠心力鉄筋コンクリート管」という公式名称が定められました。
ヒューム管は、鉄筋かごを入れた型枠を成形機の上で回転させ、ミキサで練り混ぜたコンクリートを投入して、遠心力で締め固めながら成形します。
型枠に入れたまま常圧蒸気養生を行い、徐冷したのち脱型します。
外観、寸法等を検査し、所定の表示を管体に刷り込み、ストックヤードで養生します。
ヒューム管は管そのものが構造体として成立する剛性管であり、外圧に対する強度が高い反面、コンクリートの粗度係数がやや高いために、後年登場した塩化ビニール管(塩ビ管)と比較して同一内径での流量が劣ります。
また、コンクリートの性質上酸性やアルカリ性などの耐薬品性も塩ビ管や陶管(セラミック管)に比べてやや劣っています。
重量も重く施工性も低いために、特に内径500mm以下で開削工法により配管する用途では塩ビ管に取って代わられつつありますが、
管そのものに高い強度が求められる推進工法や内径1,000mmを超える大径幹線水路では現在でも主流の管です。
以上、
特殊な物がたくさん出てきました。
面白いです(^^♪
おはまーでした。